熊本大地震
もう、これからのことはまったくわからない。
それはそうだろうと思う。
大自然の脅威がどのように実際に展開するかなんて
人間にわかるはずはないのだから。
九州に引っ越して以来25年間、ほとんど地震の経験がなかったので驚いた。
ゆさゆさと、揺れている大地の上にいるのは気持ちが悪い。
ついに来たかというのが、最初の実感だった。
それでも夜はなんとなく普通に過ごし
余震もたくさんあったのに、記憶は薄くなっている。
驚いたのは、それから丸一日を過ぎて、なお四時間ほどたった
真夜中の一時過ぎの地震の方だ。
ああ、なんだかいつもとは違うなと感じる強い地震の再来だった。
結局その日は明け方の四時頃まで眠れなかった。
それなりに大きな地震が、短い間隔で何度も何度も、家を振動させる。
震源地から100キロも離れているのに、大地は小刻みに容赦なく揺れた。